「プログラミングは今や必須の学問 早いうちから学び始めたい」【2024年5月号】
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2024/5/2
アイオーオー稲毛学習教室・コードアドベンチャー稲毛校(千葉市稲毛区小仲台)
ITやAIといったデジタル系の話題は耳を素通りしがちな本紙編集部記者・稲しん子。けれど、地元稲毛にすごいプログラミングスクールがあると知れば、じっとしてはいられません。
今回はその「コードアドベンチャー稲毛校」を訪ね、たっぷりお話しを伺いました。お相手を頂いたのは教室長の留守敦さん。確かにすごい人でした。
今回はその「コードアドベンチャー稲毛校」を訪ね、たっぷりお話しを伺いました。お相手を頂いたのは教室長の留守敦さん。確かにすごい人でした。
子供たちは「マインクラフト」に夢中 遊びながら覚えるプログラミング
稲しん子(以下・稲)今、生徒さんは何人くらいいらっしゃるんですか?
留守さん(以下・留)ここは40人ほどです。去年の4月にみつわ台校を開いたのですが、体験会のチラシを配布したら問い合わせが300件前後も届き、生徒数があっという間に50人を超えてしまいました。ただ、稲毛方面からの問い合わせがかなり多かったので、それならと開校したのが稲毛校です。その前に蘇我校、稲毛の次に磯辺校も開いています。
稲・子供がやりたいと言って入ってくるんですか? それとも親に言われて?
留・子供がチラシを持ってきて「お父さんお母さん、ここ行きたい」と言って入ってくるケースが断然多いです。親は驚くんですよね、今まで学校からもらったチラシで「行きたい」なんて主張したことなかったのに、
と。
稲・それだけコードプログラミングに関心がある子供が多いということでしょうか。
留・いえ、プログラミングというより「マインクラフト」に関心があるんです。
稲・マインクラフトとは…ゲームでしたっけ?
留・ものすごく簡単に言うとモノ作り建築ゲーム。一般に「マイクラ」と呼ばれます。 統合版、Java版、教育版があり、うちが導入しているのは教育版。一般的にゲーム機で統合版を遊んでいる子が多いですが、
教育版ではあらかじめ命令が書き込まれたブロックというものを自在に組み合わせることで、自分だけの世界を構築していくことができます。子供はマインクラフトが大好き。大人の愛好者もいますけれど、メインのボリュームゾーンは小学生で、日本の小学生はほとんど全員やっているんじゃないかという気さえします。うちには幼稚園児の生徒もいますよ。
稲・そのマインクラフトを使ってプログラムを教えるのがコードアドベンチャーなのですね。
留・コードアドベンチャーのどこが魅力的かというと、YouTuberが教えているところ。今の子たちはYouTubeを駆使して情報交換しています。マイクラの実況チャンネルなどを通じてマイクラの新しい情報を集めたり、得られた知識をもとに自分で作ってみたりしています。子供たちにとって憧れの大スターであるYouTuberが教えてくれるとなれば、ものすごく嬉しいんです。
稲・なるほど。確かにそれは夢中になるかも。
留・2年前から高校の必修科目になっている「情報Ⅰ」が、2025年から大学入試の科目に加わります。
国立大学を受験するなら必須科目です。プログラミングや情報リテラシーなどの基礎的なスキルを身に付けることを前提に進学したり社会に出たりするようになっていく。そんな時代を迎えているならば、なるべく早いタイミングで理解できていた方がいいでしょう?高校の教科書で初めてプログラミングに接したら、拒否反応を示す子が少なからず出てくると思う。いずれ学ばなければならないものならば、早いうちからやっていた方が有利だと思うんです。
留守さん(以下・留)ここは40人ほどです。去年の4月にみつわ台校を開いたのですが、体験会のチラシを配布したら問い合わせが300件前後も届き、生徒数があっという間に50人を超えてしまいました。ただ、稲毛方面からの問い合わせがかなり多かったので、それならと開校したのが稲毛校です。その前に蘇我校、稲毛の次に磯辺校も開いています。
稲・子供がやりたいと言って入ってくるんですか? それとも親に言われて?
留・子供がチラシを持ってきて「お父さんお母さん、ここ行きたい」と言って入ってくるケースが断然多いです。親は驚くんですよね、今まで学校からもらったチラシで「行きたい」なんて主張したことなかったのに、
と。
稲・それだけコードプログラミングに関心がある子供が多いということでしょうか。
留・いえ、プログラミングというより「マインクラフト」に関心があるんです。
稲・マインクラフトとは…ゲームでしたっけ?
留・ものすごく簡単に言うとモノ作り建築ゲーム。一般に「マイクラ」と呼ばれます。 統合版、Java版、教育版があり、うちが導入しているのは教育版。一般的にゲーム機で統合版を遊んでいる子が多いですが、
教育版ではあらかじめ命令が書き込まれたブロックというものを自在に組み合わせることで、自分だけの世界を構築していくことができます。子供はマインクラフトが大好き。大人の愛好者もいますけれど、メインのボリュームゾーンは小学生で、日本の小学生はほとんど全員やっているんじゃないかという気さえします。うちには幼稚園児の生徒もいますよ。
稲・そのマインクラフトを使ってプログラムを教えるのがコードアドベンチャーなのですね。
留・コードアドベンチャーのどこが魅力的かというと、YouTuberが教えているところ。今の子たちはYouTubeを駆使して情報交換しています。マイクラの実況チャンネルなどを通じてマイクラの新しい情報を集めたり、得られた知識をもとに自分で作ってみたりしています。子供たちにとって憧れの大スターであるYouTuberが教えてくれるとなれば、ものすごく嬉しいんです。
稲・なるほど。確かにそれは夢中になるかも。
留・2年前から高校の必修科目になっている「情報Ⅰ」が、2025年から大学入試の科目に加わります。
国立大学を受験するなら必須科目です。プログラミングや情報リテラシーなどの基礎的なスキルを身に付けることを前提に進学したり社会に出たりするようになっていく。そんな時代を迎えているならば、なるべく早いタイミングで理解できていた方がいいでしょう?高校の教科書で初めてプログラミングに接したら、拒否反応を示す子が少なからず出てくると思う。いずれ学ばなければならないものならば、早いうちからやっていた方が有利だと思うんです。
学校に行けない子供たちの「居場所」を作ってきた
稲・留守さんはフリースクールも開いていらっしゃいますよね。
留・その前段階の話になりますが、10年ほど前から「CoderDojo※」を運営しています。道場と呼んでいるものの、本質としては地域コミュニティ。子供向けに開発された教材を用意していますが、指導することに重きを置いていないというか、集まれる「居場所」なんですね。
稲・プログラミング好きな子たちの居場所なのですね。
留・実は「CoderDojo」には不登校の子も来ていました。学校に行けない、周囲と馴染めない、居場所がない…ということと、 時間があって何かに打ち込める、プログラムやパソコンが好きなことって重なる部分があるみたいで。不登校の話を聞く機会が多く、対応の必要性を強く感じたことからフリースクール「Co‐Labo」を始めたんですよ。
稲・そこに繋がるわけですか。
留・全国で29万9千人余り、ひと学年のだいたい5%くらいが不登校。たぶん、これからもっと増えると思います。うちは全日制フリースクール、つまり学校がある日に開いているフリースクールなんですけれど、それは普通に学校に通えている子の家庭と同じような生活リズムを確保してもらうためです。不登校の何が辛いかと言えば、親と子がずっと家の中で一緒にいることだったりするので。
稲・不登校ってそんなに多いのですか…。制度なのか環境なのか、何かを根本的に変えないと。
留・現状としては受け皿がないことがけっこう深刻。「Co‐Labo」も生徒が増えて受け入れが難しくなってきているので、他にどうやって居場所を作るかを考えています。アイオーオー稲毛学習教室としては、マンガ・イラスト教室「子どもデザインアカデミー」の新設は決めました。不登校の子は絵を描くのが好きな子が多いんです。そういう子にちゃんとした絵の描き方を身に付けてもらうことも目的ですが、それより週1回でも「よく描けたね」と誉められる機会を作ってあげることが大事かなと思っています。自分の好きなことをやって、
誉めてもらえれば、少なくとも絵を描くことには自信が持てるようになるだろうし、生き方がだいぶ変わってくるはずなんです。あと、造形・工作のワークショップ、電子工作のワークショップ、理科実験教室も4月からスタートさせます。
稲・子供が「ここ行きたい」と言えるような場を増やすのですね、素敵です。
留・うちのスタッフは元不登校で、フリースクールのスタッフを兼任しています。「Co‐Labo」の卒業生なんですよ。一人は「Co‐Labo」に入ってきたとき他の子より少し年嵩だったから、生徒たちの見守り役をやらせたら、ほぼスタッフ側の立ち位置になってしまった。せっかくなのでそのままうちで働いてもらっています。もう一人の女の子のスタッフも「Co‐Labo」出身で、絵を描くスキルが高いので、「子どもデザインアカデミー」の講師もやってもらおうと思っています。その子たちの得意なことを把握しているから、できる仕事を用意してあげられるんです。
稲・確かに。雇用も生み出せますね。
留・不登校だった子もこうして働けているんですと、世間にちゃんと見せたいんですよ。しかも楽しそうに働いている姿を。
稲・それはとても素晴らしいお考えです。今日はありがとうございました。
https://codeadventure.jp/lp/inage/
留・その前段階の話になりますが、10年ほど前から「CoderDojo※」を運営しています。道場と呼んでいるものの、本質としては地域コミュニティ。子供向けに開発された教材を用意していますが、指導することに重きを置いていないというか、集まれる「居場所」なんですね。
稲・プログラミング好きな子たちの居場所なのですね。
留・実は「CoderDojo」には不登校の子も来ていました。学校に行けない、周囲と馴染めない、居場所がない…ということと、 時間があって何かに打ち込める、プログラムやパソコンが好きなことって重なる部分があるみたいで。不登校の話を聞く機会が多く、対応の必要性を強く感じたことからフリースクール「Co‐Labo」を始めたんですよ。
稲・そこに繋がるわけですか。
留・全国で29万9千人余り、ひと学年のだいたい5%くらいが不登校。たぶん、これからもっと増えると思います。うちは全日制フリースクール、つまり学校がある日に開いているフリースクールなんですけれど、それは普通に学校に通えている子の家庭と同じような生活リズムを確保してもらうためです。不登校の何が辛いかと言えば、親と子がずっと家の中で一緒にいることだったりするので。
稲・不登校ってそんなに多いのですか…。制度なのか環境なのか、何かを根本的に変えないと。
留・現状としては受け皿がないことがけっこう深刻。「Co‐Labo」も生徒が増えて受け入れが難しくなってきているので、他にどうやって居場所を作るかを考えています。アイオーオー稲毛学習教室としては、マンガ・イラスト教室「子どもデザインアカデミー」の新設は決めました。不登校の子は絵を描くのが好きな子が多いんです。そういう子にちゃんとした絵の描き方を身に付けてもらうことも目的ですが、それより週1回でも「よく描けたね」と誉められる機会を作ってあげることが大事かなと思っています。自分の好きなことをやって、
誉めてもらえれば、少なくとも絵を描くことには自信が持てるようになるだろうし、生き方がだいぶ変わってくるはずなんです。あと、造形・工作のワークショップ、電子工作のワークショップ、理科実験教室も4月からスタートさせます。
稲・子供が「ここ行きたい」と言えるような場を増やすのですね、素敵です。
留・うちのスタッフは元不登校で、フリースクールのスタッフを兼任しています。「Co‐Labo」の卒業生なんですよ。一人は「Co‐Labo」に入ってきたとき他の子より少し年嵩だったから、生徒たちの見守り役をやらせたら、ほぼスタッフ側の立ち位置になってしまった。せっかくなのでそのままうちで働いてもらっています。もう一人の女の子のスタッフも「Co‐Labo」出身で、絵を描くスキルが高いので、「子どもデザインアカデミー」の講師もやってもらおうと思っています。その子たちの得意なことを把握しているから、できる仕事を用意してあげられるんです。
稲・確かに。雇用も生み出せますね。
留・不登校だった子もこうして働けているんですと、世間にちゃんと見せたいんですよ。しかも楽しそうに働いている姿を。
稲・それはとても素晴らしいお考えです。今日はありがとうございました。
https://codeadventure.jp/lp/inage/
※Corder Dojo(コーダー道場)=世界100ヵ国で展開されているプログラミング道場。日本には約200の道場が存在し、留守さんはその一つを「若葉プログラミング部」として主宰している。
このまとめ記事の作者
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