ちょい見せ【月刊埋立地】千葉みなとのご当地キャラ・誕生ものがたり

キャラ 4520

2021/10/13


シェア	ポスト	送る

以下は 3 年前に書かれた内容です

※本記事は、市民団体ちば文化センターが独自に千葉市制100周年を記念して制作した冊子『月刊埋立地』に掲載されているコンテンツの試読です。

・『ドキドキポート！チバミナコちゃん』　～萌えキャラ系～・『おいでよ！千葉みなと水族館』　～ゆるキャラ系～・『４M２T（フォーエムツーティ）』　～乙女ゲーム系～・『千葉みなとのご当地キャラ』は、まだまだ増える！？・冊子『月刊埋立地』の紹介

はじめに

千葉市内外、ネット・リアルを問わず、なにかと「何も無い」と思われがちな千葉みなと。

それならば『在るものが一目でわかるよう可視化しよう』『何も無いなら創れば良い』というシンプルかつポジティブな発想から、千葉みなとのご当地キャラクターたちは誕生していきます。

『ドキドキポート！チバミナコちゃん』　～萌えキャラ系～

▲ チバミナコちゃん（ファーストモデル）
（設定制作：せひら／作画：yamadatal ）
2016年初夏、千葉市中央公園で開催されたアニソンDJイベントにて、「ちばみなとjp」のマスコットキャラクターとしてお披露目。
駅前のアンテナ鉄塔や食品コンビナートのサイロやパイプなど、千葉みなとの景観を節操なく盛り込んだ衣装デザインが特徴です。

▲ チビミナコちゃん
（作画：せひら）
SNSのアイコンなどに使いやすいよう、ビックリマンシール風の正方形比率で収まりよくデフォルメ化したモデル。
商標登録も行なったので誇らしげに「®」マークも装着し、ゲーム機等のロゴマークのような「ちばみなとjp」のシンボルとして使用しています。

▲ はじめはこんな感じの顔も考えていたのですが、デフォルメ版はなるべく萌えキャラ感を薄めて、より多くの人に受け入れられるようにと思い、現在の顔に落ち着きました。

★チバミナコちゃんの（近ごろの）設定

チバミナコちゃんは、架空都市チバシティがトーキョーの大手広告代理店とITベンチャーにそそのかされて結構な市税を投入して試験的に導入したAR（拡張現実感）コンテンツです。
チバシティ役所はとりあえずお膝元の千葉みなとを実証実験の場として、AR観光地（半透明のARメガネをかけると、街なかにデジタル娯楽コンテンツが重なって見える）化するわけですけど、その世界を徘徊する案内役マスコットとして、また、マナーの悪い利用者には直接注意を呼びかける等、AR千葉みなと世界の秩序を守るパトローラー的存在として「チバミナコちゃん」が誕生しました。

チバミナコちゃんはAR世界に暮らすバーチャルでデジタルな存在なので、変幻自在に巨大化できたり、様々なデザインの派生モデルがいたりします。

ちなみにこのチバミナコちゃん、AIと思いきや実は「中の人」がいて、チバシティ役所（が業務委託している市内業者）が24時間体制で手動運用してるとか、してないとか。
過去にチバシティ役所のホームページで、それらしき入札情報が出ていたらしいです。
チバミナコちゃんは曜日や時間帯によって喋り方や性格が異なると、一部のファンは盛り上がっています。

★キャラクターデザインの初期設定原案

以下は絵師さんに作画してもらう際に提示したテキストで、これがすべての始まりです。
実際はこうしたテキスト内容に加え、参考画像を添付したり、たくさんのURLを添えてました。

“

■名前
チバミナコ（仮）

■概要
千葉みなとポータルサイト（https://chibaminato.jp）「ちばみなとjp」シンボルキャラクター。
千葉みなとの夢と平和を守るため、毎話、千葉港に現れる使徒（行政や地元のしがらみが具現化したカオス）と戦っている。敵は倒すと素敵な施設に生まれ変わる。例えば第一話では「横浜や神戸とは違う、和を取り入れた何か」というモワっとした敵が登場するが、倒すと旅客船ターミナル・ケーズハーバーが生誕して、めでたしめでたし。（？）

■全体的なデザイン・装飾のイメージ
・キュアプリンセス、キュアマリン、初音ミク
　青・グレー系。変身して戦う海系ヒロイン。プリキュアほどヒラヒラせず、初音ミクほどサイバーにしない。（理想として、地元の女児にプリキュアみたいと憧れてもらえる、YouTube好き女子中学生の中二病心をくすぐる、コスプレイヤー女子が衣装作りたくなる感じに）　
・頭にワンポイントで、千葉ポートパークの円形芝生広場ステージ屋根を模したカチューシャ的なもの
・ツインテールで、双方結び目にNTTドコモ千葉ビルの鉄塔と、NTT千葉港ビルの鉄塔を模したアクセサリ（２本の鉄塔は別デザインなので左右非対称・いざというとき、電波を発するスタンガン的な武器にもなる）
・腕に千葉都市モノレール「アーバンフライヤー」的なデザイン
・胸元～腰回り、全面的に押し出さすぎない程度に工業地帯・工場要素（胸のリボンなど（？）がサイロやパイプを彷彿させるデザインになっていて、いざというとき小麦粉とパンの香りがブシューっと噴き出して敵を撹乱する）
・千葉ポートタワーの形をした武器。（ポートタクト）
　全面ミラーLED液晶っぽくなっていて、手元のスイッチで攻撃モードに応じたイルミネーションが点灯する。基本的に手～腕くらいの長さの魔法のステッキ的なものだが、攻撃モード（イルミネーション）によっては巨大化して剣のように敵を切れたりする。（ポートタワーは真上から見ると、ひし形を若干つぶしたような形です）
・オーバーニーソックス
・脚にフライボード装着で、足底から海水を噴き出し、海上で空中戦が行える。本当のフライボードは両足くっついてるが、デザインとして両足バラけて柔軟に動いてポーズつけられたほうがよいので、ストライクウィッチーズ的な感じで、左右セパレートで、膝下、ふくらはぎ以下に装着な感じでお願いします。
・カモメ型のお供の妖精がいる（名前：あるめりあ）
　（リアル寄りではなく、魔法少女モノのマスコット的にデフォルメしたカモメ。）
　ワンポイントで花のアルメリアがどこかについていてほしいです。（アクセサリか模様として）
　千葉みなと在住の女子中学生、チバミナコに変身アイテム「ポートえびせん」（かっぱえびせん）をくれた。
　平常時のチバミナコが上空にポートえびせんを投げる→あるめりあが空中キャッチで食べると、あるめりあから不思議な力の光が放出されてチバミナコ（変身前）をチバミナコ（変身後）に変身させる。

■裏設定（基本形のデザインには反映しなくてよいです）
・海上空中戦を行うためのフライボードにはオプションとして、背中に背負える海水タンクがあり、それを背負うと地上でも水噴射で飛べる。だが稼働時間は水の容量分のみ。（エヴァンゲリオンのアンビリカルケーブル・内蔵電源みたいな感じ）
・フォームチェンジパワーアップするとウェディングドレス風の装飾。（千葉みなと、結婚式場が多いので）

”

ラフ画が上がってきてから「脚は京葉線のカラーリング」や「ポートタワーの上に恋人の聖地オブジェ」、「スカートは港湾緑地の地面タイル色」などと追加していった要素もあります。

★イラスト『ドキドキポート！チバミナコちゃん』

世界観を広げようと制作したイラスト。絵コンテに加え、背景や小物については前ページのようなテキストでの補足説明を繰り返し、絵師さんに細部まで丁寧に描いていただきました。

“

チバシティの平和を脅かす敵の脅威は、ついにシティの中枢である役所へと迫る。

最大最凶の敵に太刀打ちすべく巨大化したチバミナコちゃんだが、敵の猛攻により、尻もちをついてモノレールを破壊。間髪入れず、敵からシティ役所へ向けて一閃のビームが放たれる。

手元に転がっていたアーバンフライヤー（※乗員乗客は既に避難済み）をとっさに盾として、シティ役所と自らを守るチバミナコちゃん。その後、颯爽と立ち上がり、問屋町方面にいる敵へと向かって走り出す。手に握ったままのアーバンフライヤーをヌンチャクとして反撃を開始するのであった。

（※ドキドキポート！チバミナコちゃん　第19話「ナコちゃん、巨大化する。」より）

”

★千葉みなと４コマ漫画劇場『みなっと！チバミナコちゃん』

WEBメディア「ちばみなとjp」上では、チバミナコちゃんのユルいご当地４コマ漫画も掲載しています。
ぜひこちらのリンクから全話チェックしてみてくださいね！

★チバシティ５ビーチヒロインズ構想

千葉市の埋立地（蘇我・千葉みなと・いなげの浜・検見川の浜・幕張の浜）では毎年、千葉市観光協会さんが『千葉シティ5ビーチ観光PR大使』という海辺の広告塔を5名選出されるのですが（2020年度は残念ながらコロナの影響で不在となりましたが）、「うちも負けてたまるか！」と変な対抗心を燃やし（勝ちも負けも無いのですが）、残り4ビーチ分のキャラクターも作って、5人で戦隊モノにしようなどと考えておりました。

キャラ案などは2018年頃、以下のようにざっくりとメモしていたのですが、いつか時間とお金ができたとき、きちんと詰めて形にしてみたいところです。

“

■ドキドキポート★チバミナコちゃん
本名：千葉海菜子　（ちばみなこ）

■ウキウキマリン★マクハリナちゃん（外面クール、内面アクティブ）
本名：幕波凛凪　（まくはりな）
頭にアパホテルとなんか高層ビル、花火柄の髪型、両腕が連節バス
武器：バットとグローブで天気を操る、
洋服：ベイタウンの地面のようにモダンなスカート、庭園
左脚がイオンモール、右脚が幕張メッセ、運転免許
渋幕・幕総のカラーリング

■キラキラマリーナ★ケミハマコちゃん（おっとり癒し系、回復担当）
本名：検見川マコ　（けみがわまこ）
病院・ナースがモチーフ、ウェディングドレス
稲毛ヨットハーバー、突堤、ウィンドサーフィン、
団地、自転車

■ルンルンビーチ★イナカイコちゃん（メガネ、真面目系）
本名：稲毛夏衣子　（いなげかいこ）
頭から松が傾斜して生えている。根上りの松。
頭の中央には花の時計
両腕：プロペラ機の翼　オオトリウイング
上半身に花の美術館モチーフのシースルー服を羽織る
武器：こじまの舵ブーメラン
砂浜・バーベキュー・水着と浮袋（魚とカブの模様）
足：スケート靴

■ワクワクハーバー★そがみちゃん（スポーツ系、庶民派）
本名：蘇我アリナ　（そがありな）
頭に第五高炉、吹き出す煙、鉄道、貨物、サッカー
コスプレ、ショッピングモール

”

▲ チバミナコちゃん（マークⅡ）
（作画：せひら）

2020年夏、ファーストモデルの頃から増減した千葉みなと要素を反映しつつ、髪の作画を省力化するなど、リデザインしました。

今回は「Live2D」というアニメーションツールでVTuber（ヴァーチャルユーチューバー）として動かしてみたかったので、髪の毛や顔、衣装やアクセサリ等のパーツを全て着せ替え可能なデータとして制作すべく、試行錯誤を繰り返しながら自力で作画しました。

『おいでよ！千葉みなと水族館』　～ゆるキャラ系～

2018年夏。千葉みなとに水族館があったら良いのになぁ…と常々思っていました。

千葉市動物公園のコツメカワウソやペンギン、ケーズハーバーのウミガメやサメたちも可愛いのですけど、もっと深海魚や変なクラゲのような珍しい生き物もいっぱいいて、イルカショーやアシカショーも開催している、大規模なTHE水族館。

水に囲われた空間で海洋生物をぼんやり眺めて癒されたいと思うのですけど、葛西臨海公園とか鴨川シーワールドとか、遠くて行くの大変なのですよね。稲毛海浜公園や海浜幕張でも良いので、とにかく、千葉市に水族館があると嬉しいです。

しかし今さら千葉市にそういった大規模水族館が建設される可能性は大人の事情もろもろでゼロに等しいと思いますので、今現在そこにあるもので「水族館」を具現化してみようと考えました。

もしも千葉みなとの港湾、千葉中央港の地域一帯が「水族館」だったとして、景観のなかの施設がそこに展示されている「生き物」だとしたら…と思ってみると、今まで単に無骨な工業港としか見えていなかった景色が、ちょっぴりユーモラスで可愛く見えたりしませんか？

「千葉みなと水族館」は、訪れた人々、個々人のイマジネーション・脳内補完によって、いつでもオープンする水族館です。

▲ ちなみにデザインは、僕が千葉ポートパークのビーチプラザに腰掛けて景色を眺めながらiPadで描くなどしていたので、とことん千葉みなと産なキャラクターです。

▲ キャラクターを地図上でモチーフとなった実際の施設に当てはめている解説リーフレット。
ケーズハーバー１階のチラシ置き場などで配ってますので、ぜひお手にとって千葉みなとの海辺を散策してみてくださいね。

『４M２T（フォーエムツーティ）』　～乙女ゲーム系～

2020年春。
女の子キャラ（チバミナコちゃん）と、ゆるキャラ（おいでよ！千葉みなと水族館）はいるけれど、さらに女性から愛されるような「イケメンキャラクター」も千葉みなとにいると良いのではないかと思ったことに加え、初代チバミナコちゃんの絵を描いて頂いたyamadatalさんが、男性キャラをとてもカッコよく描かれることも後押しとなり、一気に設定資料を作成してデザインを依頼。

今回は、千葉みなと駅周囲の６つの「街」をモチーフに、擬人化したキャラクターが誕生しました。

▼キャラクター名

幸　町：花住幸子　　（かすみさちこ）
新　港：美浜新一郞　（みはましんいちろう）
千葉港：千葉銀之輔　（ちばぎんのすけ）
中央港：真中央　　　（まなかあきら）
問屋町：海苔屋透矢　（のりやとうや）
出洲港：寒川出頭緒　（さむかわでずお）

各々のキャラは自分なりに街のイメージにこだわって擬人化しましたので、近隣にお住まいやお勤めの皆様は、ぜひデザインから元ネタ探しをしてみていただけると嬉しいです。

細かな設定や物語、キャラ同士がどう掛け合うのか等は、皆様の妄想で自由に広げていって貰えればと考えてまして、街の元ネタがわかる人もわからない人も、話題の種にして頂ければ幸いです。
ちょっと他力本願に、ポジティブな言い方をすると「みんなで一緒に盛り上げよう！」という、人や街を繋ぐ、きっかけ作りのプラットフォームになれたら良いなと思っています。

『千葉みなとのご当地キャラ』は、まだまだ増える！？

２０１６年に『チバミナコちゃん』、２０１８年に『おいでよ！千葉みなと水族館』、２０２０年に『４M２Ｔ』が誕生しましたが、既存のキャラを引き続き細く長く展開しつつ、今後も新しいタイプの千葉みなとキャラクターを創り出していきたいです。（意図せず２年周期で新キャラを出してきているので、次は２０２２年？）

男児向けのキャラクターがまだいないので、千葉みなと地区の各マンションを模したモンスター同士が闘う『マンションモンスター』（マンモン）とか考えてみたのですけど、自分のマンションが弱かったりダサかったりすると各々マンションの住人から苦情が出そうなのでなかなか難しそうですね。

ライトノベル的な作品も面白いかもしれませんね。
『異世界へ転生したら千葉みなと住人だった件』とか、『俺の千葉みなとがこんなに賑わっているわけがない』とか。

・・・時を経て、なんだかよくわからないけれど「千葉市」という括りでも「中央区」「美浜区」ですらなく、国道３５７号から海側の埋立地の一角である「千葉みなと」という狭い区域に、何故か多種多様なジャンルのオリジナルキャラクターが乱立していたら楽しそうですね。
僕に限らず、近所に住んでいる人々が、年齢や職種を問わず、どんどん新キャラを創り出してたりして。
それがこれまで「何も無い」と言われがちだった埋立地・千葉みなとのアイデンティティーのひとつとなり、やがて「文化」と呼ばれるようになったなら、ちょっと、面白いんじゃないかな？と思っています。

平澤　誠治（ひらさわ　せいじ）
横浜市出身。社会人になり東京湾岸の区や川崎などを転々としながら、千葉市の海辺に落ち着く。
株式会社せひら代表、ちばみなとjp 管理人、千葉県よろず支援拠点地域メディアクリエーター。

冊子『月刊埋立地』の紹介

■目次
P04：埋立地 1979（東健一）
P06：匿名未来都市チバ（東健一）
P44：海浜ニュータウンの現在と未来（鈴木雅之）
P60：工場萌え前夜（八巻慎太郎）
P68：海と本屋と埋立地（武田光司）
P72：埋立地で選ぶ、20年後に生き残るマンションについて（佐々木洋）
P82：千葉みなとのご当地キャラ・誕生ものがたり（平澤誠治）　※本記事
P89：埋立地俳句（石岡尚人）
P90：美しい日本の団地と私（ハト）
P91：舗道の下には、浜辺　<< Sous les pavés la plage >>（川名芳蓮）
P92：立てよ！埋立地ノイド～千葉みなとズゴック計画～（寺井隆）
P93：埋立地の歴史
P94：漫画「どちゃ満開♪ぽ～と太郎！」（劇団みちたか）

■販売場所等
・千葉市内（千葉ポートタワー展望室受付、千葉県立美術館ミュージアムショップ、千葉市美術館ミュージアムショップなど）
・ちばみなとjp通販サイト