ダイニングバーアポロ(千葉市稲毛区)【2024年12月号】
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2024/12/3
稲毛のミュージックバー「メンフィス」のオーナー・岩渕直亮さんが2018年に開業。2024年、稲毛駅前から稲毛区黒砂に移転。有名ミュージシャンによるライブを定期開催。素材を厳選したハンバーガーやピザも好評を博している。
https://apollo-inage.net/
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地元の素晴らしい先輩たちに応援してもらい、今があります
本紙編集部・稲しん子が今回訪ねたのは、京成千葉線「みどり台」駅近くの邸宅街に立地する「アポロ」。ハンバーガーと音楽が堪能できる人気のお店です。オーナーの岩渕直亮(なおあき)さんに、熱い思いを語っていただきました。
ハンバーガーはパンが大事
稲しん子(以下・稲)「アポロ」という店名にはどのような由来があるのですか?
岩渕さん(以下・岩)ニューヨークの「アポロ・シアター」にあやかりました。それと、アポロはギリシャ神話では芸能や文化の神様です。音楽のお店を営む上で、ぴったりの名前だろうと。ニューヨークは文化の中心地でもあると思うので、この店が文化発信の拠点になれればという願望も込めました。
稲・なるほど、二重の意味でアポロ。以前は稲毛駅前にありましたよね?
岩・そうなのですが、入居していたビルの所有者が替わった影響で音楽バーができなくなってしまいまして。でも、引っ越しはむしろいい機会だったと思っています。
稲・どのようなお客様が多いですか?
岩・今はご近所の方が半分くらいを占めている感じです。ランチタイムだと、奥様同士だったり子連れのファミリー層だったりが多い印象ですね。稲毛時代からのお得意様も来ていただけていますし、電車や車で遠くから来られる方もいらっしゃいます。遠路はるばる来てくださるのですから、ありがたいし嬉しいですよ。
稲・手作りのハンバーガーが名物です。
岩・最初は地味にやっていたメニューに過ぎず、バンズも自分たちで焼いていました。小さなオーブンで1回14個、それを1日2回転、発酵を含め4~5時間かけて計28個。そんな程度で十分だったのです。ところがコロナ禍でテイクアウトを始めた途端、一気に注目されるようになり、とても間に合わなくなってしまいました。今は西千葉の「ツィーゲル」さんという手ごねパンのお店にレシピをお渡しして焼いてもらっています。うちのもともとのオリジナルである、胚芽入りのちょっと粒感のある香ばしいブラウンバンズを再現してくれただけでなく、もっとおいしくしてくれました。
稲・では、パンにこだわりが?
岩・最大のこだわりポイントです。ハンバーガーはパンがおいしくないとダメ。肉に負けてしまう。肉とのバランスが取れるパンでないと。
稲・料理はどちらで修業されたのですか?
岩・いえ、特には。ただ、小学校の時から料理に親しんでいました。ぼくの母が料理教室の先生で、専門が中華料理。日本に来る前の陳健民さんに習いに中国まで行ったりしていた人なのです。もちろん洋食も和食も作ります。そんな母とずっと一緒にいろいろ作ったりメニュー開発したりしてきました。学生時代はもとより、社会人になってからも料理はしていましたが、あくまで趣味でしたね。
稲・いやいや、それ実質的に修業です(笑)。心から料理がお好きなのでは?
岩・好きですね。人においしいと言ってもらえるのは至福の瞬間です。
稲・でも、どうしてハンバーガーだったのですか?
岩・フィラデルフィアの大学に留学していた時、アメリカのさまざまな食文化に触れる中で、ハンバーガーというものに何か可能性を感じたのです。まあ、自分がハンバーガー好きという前提があってこそかもしれませんが、店を始めるならハンバーガーを主力商品にしたいなと当初から思っていました。
岩渕さん(以下・岩)ニューヨークの「アポロ・シアター」にあやかりました。それと、アポロはギリシャ神話では芸能や文化の神様です。音楽のお店を営む上で、ぴったりの名前だろうと。ニューヨークは文化の中心地でもあると思うので、この店が文化発信の拠点になれればという願望も込めました。
稲・なるほど、二重の意味でアポロ。以前は稲毛駅前にありましたよね?
岩・そうなのですが、入居していたビルの所有者が替わった影響で音楽バーができなくなってしまいまして。でも、引っ越しはむしろいい機会だったと思っています。
稲・どのようなお客様が多いですか?
岩・今はご近所の方が半分くらいを占めている感じです。ランチタイムだと、奥様同士だったり子連れのファミリー層だったりが多い印象ですね。稲毛時代からのお得意様も来ていただけていますし、電車や車で遠くから来られる方もいらっしゃいます。遠路はるばる来てくださるのですから、ありがたいし嬉しいですよ。
稲・手作りのハンバーガーが名物です。
岩・最初は地味にやっていたメニューに過ぎず、バンズも自分たちで焼いていました。小さなオーブンで1回14個、それを1日2回転、発酵を含め4~5時間かけて計28個。そんな程度で十分だったのです。ところがコロナ禍でテイクアウトを始めた途端、一気に注目されるようになり、とても間に合わなくなってしまいました。今は西千葉の「ツィーゲル」さんという手ごねパンのお店にレシピをお渡しして焼いてもらっています。うちのもともとのオリジナルである、胚芽入りのちょっと粒感のある香ばしいブラウンバンズを再現してくれただけでなく、もっとおいしくしてくれました。
稲・では、パンにこだわりが?
岩・最大のこだわりポイントです。ハンバーガーはパンがおいしくないとダメ。肉に負けてしまう。肉とのバランスが取れるパンでないと。
稲・料理はどちらで修業されたのですか?
岩・いえ、特には。ただ、小学校の時から料理に親しんでいました。ぼくの母が料理教室の先生で、専門が中華料理。日本に来る前の陳健民さんに習いに中国まで行ったりしていた人なのです。もちろん洋食も和食も作ります。そんな母とずっと一緒にいろいろ作ったりメニュー開発したりしてきました。学生時代はもとより、社会人になってからも料理はしていましたが、あくまで趣味でしたね。
稲・いやいや、それ実質的に修業です(笑)。心から料理がお好きなのでは?
岩・好きですね。人においしいと言ってもらえるのは至福の瞬間です。
稲・でも、どうしてハンバーガーだったのですか?
岩・フィラデルフィアの大学に留学していた時、アメリカのさまざまな食文化に触れる中で、ハンバーガーというものに何か可能性を感じたのです。まあ、自分がハンバーガー好きという前提があってこそかもしれませんが、店を始めるならハンバーガーを主力商品にしたいなと当初から思っていました。
音楽文化を稲毛区から発信
稲・ところで、営業日が週3日だけとのことですが。
岩・そうですね。金土日だけです。最初から全力疾走するような無理はまだしない方が良い気がしまして。でも、それ以外の日もライブをやりたい人に貸したり、レンタルスペース的に稼働しています。
稲・ステージの後ろが鏡になっているのは?
岩・ダンススタジオとしての利用も考えてこうしました。多目的に使えた方が喜ばれるでしょう? 需要を掘り起こす、きめ細かく広く対応する。コロナ禍で学んだことの一つです。
稲・スタジオを借りるお客様は多いのですか?
岩・先日もピアノの発表会がありましたし、今月もライブの予定が入っています。アマチュアの方のライブは月1~2回程度あります。あとはお店主体の企画として、プロのミュージシャンを呼んでのイベントは週1回のペースで行っています。
稲・店名に込めた思いの通り、音楽文化を発信できていますね。
岩・素晴らしい先輩たちに恵まれましたから。稲毛は老舗のミュージックバーやジャズスポット、ライブハウスがあることで音楽好きには有名な街です。そういうお店に十代から通わせてもらい、ロックやブルース、ソウルなどあらゆるジャンルの音楽やレコード文化を教わった。そんな青春時代でしたから、大学生の頃には自分も音楽の店をやろうと決めていました。
稲・言われてみれば確かに稲毛は音楽関係のお店が揃っています。
岩・心の広い、懐の深い先輩たちが後押ししてくれたから今があります。新参の競合店なんて目障りだとばかりに潰されてもおかしくないのに、すごく応援してくれた。「フルハウス」さん、「キャンディ」さん、「Ks’ Dream」さん、「コルトレーン」さん、皆さんに感謝です。
稲・若い同業者を温かく見守り育てようとする土壌があるのでしょうか。
岩・長年にわたり文化を紡いでいた老舗があり、音楽好きが集まってくることで常にエネルギーが更新され、それが人を育てようとする気概に繋がっているのではないでしょうか。人気のアーティストが都内からお客として来たり、稲毛に住んでいる一流ミュージシャンもいますしね。音楽文化の発展度でいえば稲毛は千葉で一番だと誇っていいと思っています。
稲・そんな音楽の街・稲毛のお店として、今後はどのような展開をお考えですか?
岩・プロのライブ会場としての機能はこれからも維持していきますが、その一方で、地域の皆さんが多目的に使える場所にしていきたいです。例えば映画鑑賞会を開いたり、フリーマーケットのようなことも面白そうです。レコード市なんてできたら最高でしょう。それから、子供向けにピザ作りを教えるワークショップをやってみようと思っています。この街はぼく自身が育った地元であると同時に、夢が詰まった場所でもあるのですよ。
稲・やりたいことを一つひとつ叶えながら。楽しそうですね。
岩・楽しくて仕方ありません(笑)。
稲・今日のお話も楽しかったです。ありがとうございました。
岩・そうですね。金土日だけです。最初から全力疾走するような無理はまだしない方が良い気がしまして。でも、それ以外の日もライブをやりたい人に貸したり、レンタルスペース的に稼働しています。
稲・ステージの後ろが鏡になっているのは?
岩・ダンススタジオとしての利用も考えてこうしました。多目的に使えた方が喜ばれるでしょう? 需要を掘り起こす、きめ細かく広く対応する。コロナ禍で学んだことの一つです。
稲・スタジオを借りるお客様は多いのですか?
岩・先日もピアノの発表会がありましたし、今月もライブの予定が入っています。アマチュアの方のライブは月1~2回程度あります。あとはお店主体の企画として、プロのミュージシャンを呼んでのイベントは週1回のペースで行っています。
稲・店名に込めた思いの通り、音楽文化を発信できていますね。
岩・素晴らしい先輩たちに恵まれましたから。稲毛は老舗のミュージックバーやジャズスポット、ライブハウスがあることで音楽好きには有名な街です。そういうお店に十代から通わせてもらい、ロックやブルース、ソウルなどあらゆるジャンルの音楽やレコード文化を教わった。そんな青春時代でしたから、大学生の頃には自分も音楽の店をやろうと決めていました。
稲・言われてみれば確かに稲毛は音楽関係のお店が揃っています。
岩・心の広い、懐の深い先輩たちが後押ししてくれたから今があります。新参の競合店なんて目障りだとばかりに潰されてもおかしくないのに、すごく応援してくれた。「フルハウス」さん、「キャンディ」さん、「Ks’ Dream」さん、「コルトレーン」さん、皆さんに感謝です。
稲・若い同業者を温かく見守り育てようとする土壌があるのでしょうか。
岩・長年にわたり文化を紡いでいた老舗があり、音楽好きが集まってくることで常にエネルギーが更新され、それが人を育てようとする気概に繋がっているのではないでしょうか。人気のアーティストが都内からお客として来たり、稲毛に住んでいる一流ミュージシャンもいますしね。音楽文化の発展度でいえば稲毛は千葉で一番だと誇っていいと思っています。
稲・そんな音楽の街・稲毛のお店として、今後はどのような展開をお考えですか?
岩・プロのライブ会場としての機能はこれからも維持していきますが、その一方で、地域の皆さんが多目的に使える場所にしていきたいです。例えば映画鑑賞会を開いたり、フリーマーケットのようなことも面白そうです。レコード市なんてできたら最高でしょう。それから、子供向けにピザ作りを教えるワークショップをやってみようと思っています。この街はぼく自身が育った地元であると同時に、夢が詰まった場所でもあるのですよ。
稲・やりたいことを一つひとつ叶えながら。楽しそうですね。
岩・楽しくて仕方ありません(笑)。
稲・今日のお話も楽しかったです。ありがとうございました。
アポロからお知らせ
●通常営業/金・土・日の11時分30分~16時/月~木はレンタルスペース貸し出し・イベント等の営業となります。お気軽にお問い合わせください。
●イベントは公式HPイベントスケジュール(URL)からご覧ください。
https://apollo-inage.net/events/
●通常営業/金・土・日の11時分30分~16時/月~木はレンタルスペース貸し出し・イベント等の営業となります。お気軽にお問い合わせください。
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