チバカツカンパニー (株)レプコ【2022年9月号】

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  2022/9/6 更新
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以下は 2 年前に書かれた内容です

株式会社 レプコ
1989年設立。千葉市を中心に店舗網を広げるイタリアンレストラン「今日和(こんにちわ)」を運営。また、カフェやケーキ工房も展開する。千葉県の食材を活用する持続可能な取り組みが認められ、2020年度の「第1回千葉市食のブランド『千(せん)』」に会社として認定を受けた。

飲食業に関わる者として、食の問題には 全力で取り組む必要があるのです

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今回、小誌編集部記者・稲しん子が取材するのは、千葉市民にお馴染みのレストラン「今日和」で知られる株式会社レプコの代表取締役・野本茂雄さん。
食の提供に関することだけでなく、SDGsにもつながる様々な社会貢献の真摯なアクションについても、じっくりとお話を伺ってきました。

「美味しさを追求すればきっと理解してもらえる」という信念

稲しん子(以下・稲)野本さんが最初に開いたお店はフレンチだったそうですね。

野本さん(以下・野)修行をしたのが赤坂にあった「レストラン・シド」というフランス料理店でした。志度藤雄さんという、料理人の世界ではレジェンドのような方が調理長を務めたことでも知られるお店です。そのうち、私の出身地である千葉でお店を任せたいと仰ってくれる人がいたので、千葉に戻ってフレンチのお店を始めました。

稲・それから、「今日和」の1号店を1988年にオープンされて。

野・お客様が来てからパスタを茹で始める本格的なイタリアンの店は、当時の千葉にはほとんどなくて、値段設定も他店より高かった。開店当初こそ多少苦労しましたけれど、美味しいものを提供していれば必ず理解してもらえるという信念があったのです。実際、お陰様でファンが徐々に増えていき、行列ができるような繁盛店にすることができました。千葉パルコ店を始め、店舗数も増やしていったのです。

稲・とても順調な成長ぶりだったのですね。では、セントラルキッチンを設けたのは店舗が増えたからですか?

野・イタリアンはシェフが料理もドルチェ(甘いデザート)も作ります。でも、フレンチはシェフとパティシエ(菓子職人)は別です。私はフレンチで修行しましたから、フレンチ式を取り入れて、パティシエ部門を独立させ、焼いたケーキを各店舗に配送する仕組みを築きました。それがうちのセントラルキッチンの始まりです。やがて店舗数が増えてきた際に、店によって味のバラツキが出るのは困るから、ケーキだけでなくソースなどもセントラルキッチンで一括して作ることにしたんです。

稲・レストランにとって味はブランディングですものね。どの店でも同じ美味しさを提供しないと。

野・「今日和スパイス」という私が考えた調合があるんです。これを使えば誰でも美味しいパスタが作れてしまうという魔法のスパイスです(笑)。全店舗で使っていますけれど、県内のうち以外の店にも広まっているんですよね。うちを辞めたシェフが次に入った店でそのレシピを利用するので。

稲・なんと太っ腹な(笑)。魔法のレシピなのに好きに使いなさいと?

野・どうぞどうぞという感じ。料理が美味しくなるならそれが一番です。

フードロスをなくす活動や、さらに一歩進めたプロジェクトも

稲・ところで、フードドライブの活動に取り組まれることになったのは、どのような経緯だったのですか?

野・6~7年前でしたか、東金でこども食堂を開くので協力してくれと声をかけられて、使わなくなった食器や什器、冷蔵庫など厨房機器を提供したのがきっかけです。食べ物で商売させていただいている以上、食の問題に全力で取り組む必要がある。そこで「フードバンクちば」さんが行っているフードドライブを手伝わせていただくことにしました。お客様にも知ってもらおうと、フードドライブの食材回収ボックスを「今日和」の店頭に設置しています。長くやっているうちにお客様の間でも活動が広まって、集まる食材は毎週30kgほどになります。

稲・売り物にならない野菜の活用にも取り組まれていらっしゃるとか。

野・ナスのヘタ、ピーマンの種とか、捨てられている部分も美味しく食べる方法を研究して、廃棄をなくそうとベジタブルレスキューという活動を行っています。形が悪くて売り物にならない野菜を生産者さんから買い取り、ドレッシングなどに商品化しているのです。

稲・規格外の野菜でも味は変わらないですからね。

野・生産者とレストランが一体になってこれからの食に取り組んでいかなければなりません。うちのスタッフも生産者の畑へ行って草むしりをしたり、収穫の手伝いをしたりしながら野菜の尊さを勉強させていただいています。

稲・お店で使う食材である野菜を見つめ直すのですね。人材教育にも効果がありそう。

野・もう一歩進めて、「畑でレストラン」という企画を考えています。有名ホテルのシェフなどにも協力してもらって、畑で採れた野菜をその場で料理して食べてもらう試みです。料理のバックグランドというか、材料がどこで採れてどう手を加えられてというストーリーまで見えてくればより美味しく感じられる。お客様にはそういったところも含めて味わってもらえたら。今年の10月あたりからスタートする予定で、いま動き始めています。

稲・うわぁ、レプコさんのこれからの展開は楽しみが一杯ですね。

野・それ以外にも、フードバンクちばさんとコラボした農福連携プロジェクトにもチャレンジしようとしていますし、コンパクトな飲食店の新しいビジネス形態を考えていて、モデル店舗を稲毛に計画しています。

稲・稲毛なら弊社の地元です。オープンしたら必ず伺います。今日はありがとうございました。
以上は 2 年前に書かれた内容です
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千葉市内を中心に配布しているフリーペーパー「稲毛新聞」です。 平成8年に創刊、おかげさまで2021年には創刊25周年300号を迎えました。 地域...
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