チバカツカンパニー (株)リタウィンズ 【2023年7月号】

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  2023/7/4
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株式会社リタウィンズ(船橋市)

2020年設立。社名の由来は「利他」と「WIN・WIN」から。個人対象のカウンセリング「こころチカラ」を展開するほか、「顧問心理師」として経営者向けコンサルカウンセリングや社員向けメンタルヘルスケアなど法人対象のカウンセリングも実施する。代表取締役・小林嘉幸さんは千葉市若葉区在住。
https://ritawin2.jp/
今回、小紙編集部記者・稲しん子は千葉市外へ遠征。船橋市に拠点を構える「リタウィンズ」に向かい、公認心理師の小林嘉幸さんにお話を伺いました。これからの時代を健やかに生きていくためには、頼りにすべき存在が心理カウンセラーなのでは。そんな思いを強くした取材でした。

カウンセリングは症状が重くなる前に

稲しん子(以下・稲)小林さんは稲毛育ちなんですって?

小林さん(以下・小)幼稚園から高校まで稲毛東に住んでいました。稲丘小、稲毛中のOBです。実家は京成電鉄の切り通し近くで「小林牛乳店」という牛乳配達のお店をやっていました。平成3年に母親が怪我で仕事ができなくなり、時代の流れも考えて、お店を閉じて若葉区に転居したんです。

稲・そうだったんですか。小林さんご自身は会社員だったんでしょう?

小・35年間、電力会社でサラリーマンをやっていました。18年ほど前に心理カウンセラーの勉強を始めて、サラリーマン生活をしながら続けてきましたが、思うところあって、去年カウンセラー専業になりました。

稲・お勤めしながら心理カウンセラーもされていたとは…。もともと興味があったのですか?
小・人の話を聞くことは好きで、いろいろな人からよく相談を受けていました。あと、ボランティア活動もしましたし、少しでも社会の役に立つ人間になりたい気持ちが大きいんでしょうね。地元の公民館で開催している手話サークルは、もう30年近く続けています。

稲・それはご立派です。心理カウンセラーって、具体的にはどのようなお仕事なのですか?

小・概念的には、クライアントさん(相談者のこと)からの多種多様なお悩みに耳を傾け、自らが発する言葉や表現から気づきを得て、クライアントさんご自身の力で回復していくためのお手伝いをする仕事です。

稲・心療内科や精神科とは、どのような違いがあるのでしょう?

小・私たち心理カウンセラーは医師ではありませんが、同じ「師」を持つ公認心理師という国家資格を所持している専門家です。臨床心理士という資格を持っている人もいますが、いずれにしてもクライアントさんに対し、医療機関より身近な立ち位置にいるのが心理カウンセラーとしての理想です。心に抱えた問題を取り除き、本当の意味で悩みを解決したいのであれば、医療機関に行く前に、あるいは医療機関と併行してカウンセリングを受けてほしいという思いはあります。

稲・カウンセリングで良くなるなら、医者にかからずに済む可能性もあるわけですね。

小・カウンセラーとクライアントさんとの間に築く信頼関係のことを「ラポール」を築くと言います。オーストリアの精神科医、フランツ・アントン・メルスルが最初に用いた心理学用語で、語源は「橋を架ける」という意味のフランス語らしいです。このラポールを築くことが、カウンセリングを行う上でもっとも重要。クライアントさんの心の声を引き出すためには必須のスキルです。

稲・心の内側を見せるのですものね。信頼できる人でないと。そのラポールを築くために気をつけていることは何でしょう?

小・最初はひたすら話を聞くことに徹します。余計なことは言わない。「この人なら聞いてくれる」と思ってもらわなければ上手く行きません。身内にも会社の同僚や上司にも話せないことを話してもらうのですから。

稲・アドバイスはしないんですか?

小・アドバイザーではないのでしません。
基本的には話を聞くことがメイン。療法によって多少の違いがあって、本当に傾聴するだけのカウンセラーもいれば、私が行っている「インナーチェンジングセラピー(※注1)」は、引き出す療法と言えるかもしれません。

本当の悩みに気付けば自分の力で治ろうとします

稲・引き出すと言いますと?

小・クライアントさんご自身にも意識されない本当の感情や本当の悩みが、しばしば心の奥底に隠れています。そういった自分でも気付いていなかった感情を引き出すのです。表に出ている感情って、真の感情ではない場合が時としてあるのです。

稲・自分だけでは気付かないんですね。

小・カウンセラーとの対話を通じて「そういえばあんなことがあった」とか、「どうしてそんなことをやっていたのだろう」とか、次第に気付いていくわけです。そうなれば早いんですよ、自分の力で治ろうとするので。

稲・カウンセリングを受けた方がいいと自覚できるようなサインみたいなものはありますか?

小・そうですね、例えば「不眠」や「過眠」だったり、夜中に毎日目が覚めたり、朝早く目が覚めてしまう、睡眠時間はとっているのに寝た気がしない、といった感覚は、サインですね。ときどき落ち込むなど気分が安定しなかったり、何らかの依存症に悩んでいたり、原因不明の体調不良が続いているといった場合も、カウンセリングを受けた方が良いと思います……と説明しましたけれど、カウンセリングって、悪くなってから行くよりも、悪くならないよう予防して、本来のポジティブな自分を維持するために受けるのが本来のあり方なんです。欧米ではそれが一般的で、悩みができたからではなく、普段から話を聞いてもらう相手としてカウンセラーと付き合っています。特に会社の経営者クラスにもなると、必ずと言っていいほど自分の専属カウンセラーを持っていますね。

稲・その点、日本はまだまだ。

小・日本は昔から文化として、隠して外に見せないことを美徳としてきた側面がありましたから。でも、最近はだいぶ変化してきたと思いますよ。SDGsとか多様性といった概念が一般的になってきた影響かと思います。

稲・コロナ禍の時、在宅勤務やテレワークで人とのつながりが急に薄くなってしまったことが、社員のメンタル面に深刻な影響を及ぼしていると、ある企業の方から聞きました。

小・いわゆるコロナ鬱ですね。実際、医療機関が混雑している理由の一つになっています。

稲・小林さんも、企業からカウンセリングを頼まれたりしますか?

小・社員ではなく、経営層向けのカウンセリングの依頼が多いです。経営層も悩んでいるんですよね。ハラスメントの問題は避けて通れませんし、以前よりずっと厳しく管理責任が問われる時代になっていますから、経営層が受けている心的負担はかなりのものです。

稲・これからは心理カウンセラーの重要性がクローズアップされてきそうですね。今日はありがとうございました。

※注1
インナーチェンジングセラピー=株式会社メンタルサポート研究所が構築した心理療法。感情処理法・交流分析・人格適応論・愛着のカウンセリングなどの理論を統合し、クライアントの内面の変化に焦点を当てることで、行動の変容を導く。
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