VHS2025年問題とは?【稲毛新聞2025年3月号】
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2025/3/4
昭和、平成の時代に記録メディアとして多くの人が利用したであろうVHSビデオ。主に30~60代の方にとっては多くの思い出をビデオテープに収めているのではないか。自らがビデオカメラで撮影したものもあれば、保存版として録画したテレビ番組もあるだろう。そんな数多くの作品が見られなくなってしまうかもしれないと囁かれているのがVHS2025年問題だ。
大切な思い出が残せない?

昭和50年代あたりから多くの家電メーカーが発売し、ソニー単独で発売された別規格のベータ方式との競争を制し市民権を得たVHSビデオデッキ。多くの家庭でリビングにテレビと共に鎮座していたことだろう。保存版にしたビデオテープがずらりと棚に並ぶ光景はもはやリビングの日常の風景だった。しかし時代は平成に入り、CD(コンパクトディスク)がレコードやカセットテープから音楽鑑賞の主役の座を奪うのと時を同じくして、DVD(デジタルビデオディスク)が登場する。
DVDの登場
このDVD、専用のプレイヤーで再生するのだが、ほどなく録画可能な機種が登場すると完全にVHSからシェアを奪うことになった。ビデオテープは繰り返し再生しているとテープの劣化により再生不能になるケースもあったが、DVDはその劣化が無いことでデータ保存に優れていた。
その後様々な方式で保存がデジタル化される中、VHSは急激に衰退の一途をたどり、2017年、最後までデッキの生産を続けていた船井電機が生産を終了しVHSはその役目を終えた。
ユネスコの提言
2019年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)がVHSなど磁気テープに保存された情報が失われる危険性を注意喚起する「マグネティック・テープ・アラート」を発表した。一般的にVHSテープの寿命は約20年から30年と言われており、今年2025年、ユネスコの提言から6年、ビデオデッキの生産終了からも8年が経った今、多くのビデオデッキは姿を消し、ハード、ソフト共に耐用年数を迎え、視聴機会が失われる懸念が出てきた。そんな中、VHSビデオテープに残してある家族の思い出や、いつまでも保存したい番組をDVDを始めとするデジタルデータへ移行する動きが活発になっているという。
VHSからDVDへ
稲毛区小仲台にある「ぷりんと工房 小仲台店」ではVHSテープのDVD化ダビングサービスを手掛けている。当店の中川店長によれば「昨年あたりからビデオテープのダビングを希望するお客様が増えてきました。やはり2025年問題の影響でしょうね。多くはホームビデオで撮影した家族や子供さんの映像ですね。運動会やスポーツの試合などが多いようです」と語る。映像をデジタル化すればDVDディスクが壊れない限り映像自体は永遠だ。従来のビデオテープと違い保管場所もとらない。ただ、デジタル化はVHSテープのアナログ信号をデジタル信号に変換するため、ダビング用の専用機器で行う。これはビデオテープに記録されている映像と同じ時間を要するためかなりの労力を要する作業のようだ。前述の中川店長は「何本も持ち込むお客様もいらっしゃいますが、けっこう大変なんですよ」と苦笑いだが、「お客様の大切な思い出を残すことに一役買ってると思うと頑張れます」と続ける。
もはや待ったなしの状況になってきたVHS2025問題、時代の流れの中でひとつの役目は終えたかもしれないが、人々の思い出を記憶ではなく記録に残すという大事な作業はこれから本格化するようだ。
取材協力
■ぷりんと工房小仲台店
043(207)6950
このDVD、専用のプレイヤーで再生するのだが、ほどなく録画可能な機種が登場すると完全にVHSからシェアを奪うことになった。ビデオテープは繰り返し再生しているとテープの劣化により再生不能になるケースもあったが、DVDはその劣化が無いことでデータ保存に優れていた。
その後様々な方式で保存がデジタル化される中、VHSは急激に衰退の一途をたどり、2017年、最後までデッキの生産を続けていた船井電機が生産を終了しVHSはその役目を終えた。
ユネスコの提言
2019年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)がVHSなど磁気テープに保存された情報が失われる危険性を注意喚起する「マグネティック・テープ・アラート」を発表した。一般的にVHSテープの寿命は約20年から30年と言われており、今年2025年、ユネスコの提言から6年、ビデオデッキの生産終了からも8年が経った今、多くのビデオデッキは姿を消し、ハード、ソフト共に耐用年数を迎え、視聴機会が失われる懸念が出てきた。そんな中、VHSビデオテープに残してある家族の思い出や、いつまでも保存したい番組をDVDを始めとするデジタルデータへ移行する動きが活発になっているという。
VHSからDVDへ
稲毛区小仲台にある「ぷりんと工房 小仲台店」ではVHSテープのDVD化ダビングサービスを手掛けている。当店の中川店長によれば「昨年あたりからビデオテープのダビングを希望するお客様が増えてきました。やはり2025年問題の影響でしょうね。多くはホームビデオで撮影した家族や子供さんの映像ですね。運動会やスポーツの試合などが多いようです」と語る。映像をデジタル化すればDVDディスクが壊れない限り映像自体は永遠だ。従来のビデオテープと違い保管場所もとらない。ただ、デジタル化はVHSテープのアナログ信号をデジタル信号に変換するため、ダビング用の専用機器で行う。これはビデオテープに記録されている映像と同じ時間を要するためかなりの労力を要する作業のようだ。前述の中川店長は「何本も持ち込むお客様もいらっしゃいますが、けっこう大変なんですよ」と苦笑いだが、「お客様の大切な思い出を残すことに一役買ってると思うと頑張れます」と続ける。
もはや待ったなしの状況になってきたVHS2025問題、時代の流れの中でひとつの役目は終えたかもしれないが、人々の思い出を記憶ではなく記録に残すという大事な作業はこれから本格化するようだ。
取材協力
■ぷりんと工房小仲台店
043(207)6950
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