チバカツカンパニー 株式会社五常【2022年7月号】

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  2022/7/5
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2002年の創業時は建築土木の会社。現在は「台車屋五常」のブランドで展開する台車レンタル・販売事業で成功を収めるほか、熱中症対策機器や大型シーリングファンなど作業環境を改善するアイテムの開発にも取り組んでいる。

ビジネスとは「売って儲ける」のではなく、お客様の「悩みを解消する」ことです

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 小誌編集部記者・稲しん子が今回訪ねたのは千葉市若葉区の「株式会社五常」さん。物流業界で快進撃を続ける会社です。代表取締役の河野佳介さん、総務部長の武井みゆきさん、営業部マネージャーの石井佑紀さんにお話を伺い、飛躍の理由を探ってきました。

保有していた台車を活かすことで事業を拡大してきました

稲しん子(以下・稲)ホームページを拝見すると、読み手に訴えかけてくる言葉が散りばめられていますね、「日本一小さなゼネコン」とか。

河野さん(以下・河)もともと五常はホームセンターの売場作りが専門の会社です。多能工の集まりゆえ我々一社で工事をトータルに請け負える。会社の規模は小さいけれど、ワンストップでソリューションを提供できるこの特徴をどう表現すれば伝わるかを考えた言葉が「日本一小さなゼネコン」だったんです。

稲・それがいまは台車で知られる会社。どのようなきっかけから?

河・売上の100%近くを1社に依存していて、私が入社した10年ほど前は、創業時に比べて売上が半分以下にまで落ちていました。業績回復に向けて試行錯誤を繰り返す中で、思いついたのが依頼主に貸し出すために保有していた約千台の台車を活用できないかということ。それで始めたのが「台車レンタル特急便」です。想定以上に好評で、様々な業界から声をかけていただくようになりました。今は商品開発から販売まで手がけ、売上も創業時の4倍近くにまで伸びています。

お客様のお話をじっくり丁寧に伺い、課題を洗い出しています

稲・一口に台車と言ってもたくさんの種類があるのですね。「俺のカゴ台車」「天使のカゴ台車」…あの、ネーミングがとても個性的なのですが(笑)。

河・よくあるカタカナ名前より覚えてもらいやすいかと思いまして。今ではお客様に「俺カゴ」などと略称で呼んでもらえています。「天使のカゴ台車」は石井がプロデュースした商品なんですよ。

石・コンセプトは「女性にも使いやすいカゴ台車」。高さを抑えて軽量化を図りました。
一般的な台車は背が高いから、荷物を積むと女性には重すぎるし、視界が悪くなるため事故も多いんです。そうした課題を解決したのがこの「天使のカゴ台車」です。

稲・電動台車も、もしかして女性の働き手を意識された商品でしょうか?

石・女性や高齢者も含め、誰もが長く楽しく働けるようにとの思いで開発しています。
フォークリフト免許の所持者が減少しているという課題の解消にもなりますし。

河・お客様の抱える様々な課題や悩みをしっかり聞き出すのがうちのやり方。ビジネスとは物やサービスを売って儲けることではなく、顧客一人ひとりの悩みを解消してあげることだと考えています。

稲・素晴らしい理念ですね。でも実現するのは大変そうに思いますが、具体的にはどのようにされているのですか?

石・じっくり丁寧に対話させていただくことに尽きます。問い合わせの来た商品を言われるまま受注することは基本的には一切していなくて、なぜこれを希望されたのかというところからヒアリングしています。30分から1時間ほどお話を伺って、別の商品で決まることもありますし、うち以外のメーカーをご紹介することもあります。

稲・最適な解決法とわかれば他社を紹介してしまうのですか。

石・はい。それが「台車についてはとりあえず五常さんに聞いてみよう」という評価につながり、リピーターになってくださる理由の一つだと思います。

稲・目先の数字を取りに行っていないところが素敵です。しかも、それがかえって大きなリターンにつながっていて。

河・数字を追っても、お金しかもらえません。けれど、悩みを解消すれば感謝ももらえる。感謝されることが実現できていればいいんです。お金は後からついてきます。

社員のやりたいことを全力でバックアップする企業文化

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稲・ところで、五常さんは女性社員の比率が高いですね。半数近くが女性でしょうか。

武井さん(以下・武)保育園のお迎えがあったり、子供の急な発熱で休んだりなど、子育てに時間が取られがちな女性は、どうしても就職先探しが不利なのですけれど、五常の場合は「お互いさまなので気にしなくていいよ」という方針で女性を積極的に採用しています。実際、私自身もそれで採ってもらえました。

河・最初は営業で入ってもらったけれど、お客様対応が辛いと音を上げてしまった子がいました。では何をやりたいのかと聞いたところ、「ウェブやデザインに関する仕事をしたい」という。それならやってみなさいと。今ではデザイナーとして重要な戦力になってくれています。

稲・すごい柔軟性。風通しのいい企業文化だと思います。

武・社員の悩みを聞いて、それをどう解決するか、方法を探してあげられるように気をつけてはいます。

稲・困り事や悩みを解決するという理念は、
社内体制づくりの基礎でもあるのですね。

河・やってみたいことがあるのなら、応援はするという考えなんです。個人の幸せは会社から与えられるものではなくて、一人ひとりが夢を持ち、それをお互いに理解して高めあった先にあるのが幸せ。会社はあくまで支援するだけです。

武・その意味では、目標が明確にある人ほどやり甲斐が感じられる社内環境かもしれません。先を見据えて、自分から動けるかどうかが重要になる会社なんですよ。

稲・だから自然に自主性の高い人の集まりになっていくわけですか。とても刺激になるお話をありがとうございました。
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千葉市内を中心に配布しているフリーペーパー「稲毛新聞」です。 平成8年に創刊、おかげさまで2021年には創刊25周年300号を迎えました。 地域...
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