女性限定のレンタルスペース「みずいろ会館」(千葉市中央区)【稲毛新聞2025年3月号】
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2025/3/4
みずいろ会館(千葉市中央区神明町)
女性を対象とした起業支援事業などを展開している永田洋子さんが2014年にオープン。女性限定のレンタルスペースとして幅広い利用者を集めている。
https://mizuirokaikan.jp/
女性を対象とした起業支援事業などを展開している永田洋子さんが2014年にオープン。女性限定のレンタルスペースとして幅広い利用者を集めている。
https://mizuirokaikan.jp/
自由に楽しく利用して、いい時間を過ごせてもらえれば満足です

新ちばカツカンパニー 千葉の活躍企業訪問記
今回、本紙編集部・稲しん子は千葉中央駅近くのレンタルスペース「みずいろ会館」にお邪魔しました。昭和感が色濃い年季の入ったビルの一室とは思えない、モダンで開放感豊かな空間で、オーナーの永田洋子さんが快く迎えてくださいました。
今回、本紙編集部・稲しん子は千葉中央駅近くのレンタルスペース「みずいろ会館」にお邪魔しました。昭和感が色濃い年季の入ったビルの一室とは思えない、モダンで開放感豊かな空間で、オーナーの永田洋子さんが快く迎えてくださいました。
女性の起業をサポートする一環として誕生

稲しん子(以下・稲)2014年オープンということは11年目になるわけですね。
永田さん(以下・永)あっという間でした。特に意識をしていなかったので、会員さんに去年「10年目です」と言われてびっくりしたくらいです。「みずいろ会館」は人に貸すもので、自分自身がここで何かをするわけではないせいかもしれません。
稲・10年前というと、もうコワーキングスペースやシェアオフィスなどが注目され始めていましたか?
永・でき始めた頃ですね。ただ、千葉にはほとんどなくて、うちともう1ヵ所がオープンした程度でした。貸し会議室のようなものはあったものの、そこを借りてビジネスを始めるような場所ではありませんでした。私の本業は女性の起業支援で、その当時も女性向けの起業セミナーをやっていたのですけれど、女性の起業目的で多いのはエステやマッサージといった施術系の仕事なのです。つまり、施術ができる場所が必要です。でも、その場所がないというのが参加者の皆さんの悩み。おうちサロンという手もなくはないものの、自宅ってプライベートな空間だからお客様を呼ぶのに抵抗がある人もいます。だったら利用しやすい場所を提供しようと立ち上げたのが「みずいろ会館」です。
稲・それで女性限定のレンタルスペースなのですか。
永・エステやマッサージとなると、女性が服を脱いだりすることもありますから限定です。利用する際には貸切になりますので、利用者のグループの中に男性が混じっているのは構わないと言っていますが、男性だけの集まりに貸すことは基本的にしていません。
稲・借りるのはやはりエステシャンの方が多いのですか?
永・はい。ヨガのインストラクターとか、ネイリストの方なども利用してくれています。あとは一時利用のお客様で、パーティに使いたいとか、撮影で借りたいといったニーズがけっこうあります。パーティ利用は去年急激に増えました。コロナ禍で自粛していた反動でみんなで集まってワイワイやりたい人たちが多いのでしょう、今飲食店が混んでいて予約が取りづらい状況みたいで。
稲・私も去年の暮れ、忘年会の予約をしようとしたらどこのお店もいっぱいでした。
永・そこでお店が取れないならシェアスペースを借り、お酒と食べ物を自分たちで持ち寄って楽しくやろうという発想になるのはある種自然な流れです。子供のお誕生日会をやりたいとかね。お店と違ってシェアスペースなら子供がちょっと騒いでも気を使わなくていいですし。
稲・なるほど。撮影したいというのはどんな方?
永・コスプレを趣味としている人たち、いわゆるレイヤーさんがよくいらっしゃいますね。コスプレして、小道具も持ち込んで写真を撮るわけです。
カメラマンをやっていらっしゃる会員さんは、子供の記念日の撮影に使いたいとか、
そういう使われ方もしています。
稲・いろいろなニーズがあって面白いですね。
永田さん(以下・永)あっという間でした。特に意識をしていなかったので、会員さんに去年「10年目です」と言われてびっくりしたくらいです。「みずいろ会館」は人に貸すもので、自分自身がここで何かをするわけではないせいかもしれません。
稲・10年前というと、もうコワーキングスペースやシェアオフィスなどが注目され始めていましたか?
永・でき始めた頃ですね。ただ、千葉にはほとんどなくて、うちともう1ヵ所がオープンした程度でした。貸し会議室のようなものはあったものの、そこを借りてビジネスを始めるような場所ではありませんでした。私の本業は女性の起業支援で、その当時も女性向けの起業セミナーをやっていたのですけれど、女性の起業目的で多いのはエステやマッサージといった施術系の仕事なのです。つまり、施術ができる場所が必要です。でも、その場所がないというのが参加者の皆さんの悩み。おうちサロンという手もなくはないものの、自宅ってプライベートな空間だからお客様を呼ぶのに抵抗がある人もいます。だったら利用しやすい場所を提供しようと立ち上げたのが「みずいろ会館」です。
稲・それで女性限定のレンタルスペースなのですか。
永・エステやマッサージとなると、女性が服を脱いだりすることもありますから限定です。利用する際には貸切になりますので、利用者のグループの中に男性が混じっているのは構わないと言っていますが、男性だけの集まりに貸すことは基本的にしていません。
稲・借りるのはやはりエステシャンの方が多いのですか?
永・はい。ヨガのインストラクターとか、ネイリストの方なども利用してくれています。あとは一時利用のお客様で、パーティに使いたいとか、撮影で借りたいといったニーズがけっこうあります。パーティ利用は去年急激に増えました。コロナ禍で自粛していた反動でみんなで集まってワイワイやりたい人たちが多いのでしょう、今飲食店が混んでいて予約が取りづらい状況みたいで。
稲・私も去年の暮れ、忘年会の予約をしようとしたらどこのお店もいっぱいでした。
永・そこでお店が取れないならシェアスペースを借り、お酒と食べ物を自分たちで持ち寄って楽しくやろうという発想になるのはある種自然な流れです。子供のお誕生日会をやりたいとかね。お店と違ってシェアスペースなら子供がちょっと騒いでも気を使わなくていいですし。
稲・なるほど。撮影したいというのはどんな方?
永・コスプレを趣味としている人たち、いわゆるレイヤーさんがよくいらっしゃいますね。コスプレして、小道具も持ち込んで写真を撮るわけです。
カメラマンをやっていらっしゃる会員さんは、子供の記念日の撮影に使いたいとか、
そういう使われ方もしています。
稲・いろいろなニーズがあって面白いですね。
利用者を通して世相が見えてくる
永・あと、イマドキだなと思うのは推し活。推しのビデオを仲間たちで見ながらお菓子を食べるといった感じで利用してもらっています。人気アイドルのライブはチケットがなかなか取れないでしょう? だから、ライブのDVDが発売されたらそれを買って、みんなで見るわけ。その際、貸し会議室の長机とパイプ椅子では盛り上がれないから、うちのようなレンタルスペースの需要が生まれるのです。「今日は推しのアイドルの誕生日だからバースデーパーティで集まろう」と、誕生日会を開いたりもされていますよ。
稲・そんな市場が育っているとは知りませんでした。
永・私も最初は「推し活なんて」と思いましたけれど、今やビジネスとしてすごく大きな市場になっています。
稲・ところで、「みずいろ会館」というネーミングにはどういった由来があるのでしょう?
永・わかりやすくて覚えてもらいやすい名前にしたいと思っていました。レストランなどでよくある外国語の名前はかっこいいのでしょうけれど、一度聞いただけでは覚えられないし、書けないしで、避けたかったのです。じゃあ何がいいかとかなり悩みましたが、この近所にあった青色会館という建物の名称がヒントになりました。
稲・青色申告会のビルですよね。行ったことがあります。
永・「なになに会館」という言葉の語感がいいなと思い、それに倣う形で「みずいろ会館」にしました。水色は女性が好む色だし、ネーミングの中に濁点があると覚えられやすいと聞いたことがあるので、いろいろな意味でぴったりだろうと。
稲・いいと思います、可愛らしくて素敵です。コロナ禍の最中、企業がサテライトオフィスを設けたり、テレワークを推奨したりしていましたが、その点で新しい顧客を開拓できたりとか、何か影響がありましたか?
永・法人の契約があったかという意味でしたら、まったく関係なかったです。うちの場合、エステやネイルといった施術系の個人事業主が主要な顧客なので、コロナ禍の影響があったとすれば、三密回避のため利用者数が減ったことくらいです。
稲・そうなのですね。レンタルオフィスってどういった相手が競合になるのですか?
永・競合を気にする以前の問題かも。利用者の方がレンタルスペースを選ぶ際、重視するのは歩いて行ける距離だとか、駅に近いとか、コンビニが近くにあって買い物しやすいとか、そういう観点なのです。わざわざ遠くから利用しに来る方はいないと思いますし、集まって何かやる時に便利かどうかが問われるだけ。同じビルに似たようなレンタルオフィスが出来たら競合になるかもしれませんが、レンタルオフィス自体は儲かるビジネスではありませんので、そもそも競合が参入しにくいのですよ。
稲・永田さんご自身は、「こんな使い方をしてほしい」という思いはありますか?
永・こちらから使い方を発信するより、利用者の方々の方がよほど柔軟で自由で新しい使い方を見つけてくれています。利用申請書に書かれた使用目的を読んで、そんな使い方ができるのかと驚いているくらいですから。私としては自由に楽しく使ってもらって、いい時間が過ごせたな、有意義に過ごせたなと感じてもらえたなら満足です。
稲・間口を広くして受け入れる態勢であることを大事にしたいのですね。
永・「モノよりコト」と言われるように、コンテンツにお金を払う時代です。典型的なのは車で、若い人たちはマイカーを保たなくなっていますよね、カーシェアで充分だと。シェアする、共有する文化が成熟してきているということは感じます。
稲・世の中の傾向も見えてくる、と。なるほどです。本日はありがとうございました。
稲・そんな市場が育っているとは知りませんでした。
永・私も最初は「推し活なんて」と思いましたけれど、今やビジネスとしてすごく大きな市場になっています。
稲・ところで、「みずいろ会館」というネーミングにはどういった由来があるのでしょう?
永・わかりやすくて覚えてもらいやすい名前にしたいと思っていました。レストランなどでよくある外国語の名前はかっこいいのでしょうけれど、一度聞いただけでは覚えられないし、書けないしで、避けたかったのです。じゃあ何がいいかとかなり悩みましたが、この近所にあった青色会館という建物の名称がヒントになりました。
稲・青色申告会のビルですよね。行ったことがあります。
永・「なになに会館」という言葉の語感がいいなと思い、それに倣う形で「みずいろ会館」にしました。水色は女性が好む色だし、ネーミングの中に濁点があると覚えられやすいと聞いたことがあるので、いろいろな意味でぴったりだろうと。
稲・いいと思います、可愛らしくて素敵です。コロナ禍の最中、企業がサテライトオフィスを設けたり、テレワークを推奨したりしていましたが、その点で新しい顧客を開拓できたりとか、何か影響がありましたか?
永・法人の契約があったかという意味でしたら、まったく関係なかったです。うちの場合、エステやネイルといった施術系の個人事業主が主要な顧客なので、コロナ禍の影響があったとすれば、三密回避のため利用者数が減ったことくらいです。
稲・そうなのですね。レンタルオフィスってどういった相手が競合になるのですか?
永・競合を気にする以前の問題かも。利用者の方がレンタルスペースを選ぶ際、重視するのは歩いて行ける距離だとか、駅に近いとか、コンビニが近くにあって買い物しやすいとか、そういう観点なのです。わざわざ遠くから利用しに来る方はいないと思いますし、集まって何かやる時に便利かどうかが問われるだけ。同じビルに似たようなレンタルオフィスが出来たら競合になるかもしれませんが、レンタルオフィス自体は儲かるビジネスではありませんので、そもそも競合が参入しにくいのですよ。
稲・永田さんご自身は、「こんな使い方をしてほしい」という思いはありますか?
永・こちらから使い方を発信するより、利用者の方々の方がよほど柔軟で自由で新しい使い方を見つけてくれています。利用申請書に書かれた使用目的を読んで、そんな使い方ができるのかと驚いているくらいですから。私としては自由に楽しく使ってもらって、いい時間が過ごせたな、有意義に過ごせたなと感じてもらえたなら満足です。
稲・間口を広くして受け入れる態勢であることを大事にしたいのですね。
永・「モノよりコト」と言われるように、コンテンツにお金を払う時代です。典型的なのは車で、若い人たちはマイカーを保たなくなっていますよね、カーシェアで充分だと。シェアする、共有する文化が成熟してきているということは感じます。
稲・世の中の傾向も見えてくる、と。なるほどです。本日はありがとうございました。
このまとめ記事の作者
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