手縫いによる高品質のレザー製品 「一生もの」と出会えるお店【稲毛新聞2025年2月号】

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  2025/2/4
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RAISE★R レイズ (千葉市稲毛区稲毛東)

アクセサリーショップ経営歴22年の野平さんが2024年稲毛に開店。アメリカンカジュアルを基本としたスタイリッシュなデザインのレザー製品とアクセサリーを販売する。店名の「★」はフィーリングで付けたとのこと。

https://www.instagram.com/_raise_official/

新ちばカツカンパニー 千葉の活躍企業訪問記

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今回、本紙編集部・稲しん子は去年稲毛駅西口近くにオープンして以来、気になっていたお店を訪問。レザークラフトとアクセサリーのお店「レイズ」です。経営者の野平裕嗣さんに、手縫いレザー製品のよさについてお話を伺いました。

オーダーメイドや修理にきめ細かく対応

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稲しん子(以下・稲)以前は津田沼で営業されていたそうですね。

野平さん(以下・野)2年前に閉店した「津田沼パルコ」にテナントとして入り、22年やりました。

稲・商業施設内のテナントって入れ替わりが激しいイメージがあるのに、22年も継続されたのはすごいですね。どんなきっかけでお店を始められたのですか?

野・最初は友人のアクセサリーショップの手伝いをしていたんです。2000年代、リーマン・ショックの前でした。当時は消費者の購買意欲が高く、こういうハンドメイドのアクセサリーがよく売れていました。私の姉がサンフランシスコに住んでいた関係で、いわゆるインディアンジュエリー、ナバホ族とかホピ族、ズニ族といったサウスウェストのネイティブ・アメリカンが製作するアクセサリーを集めることができたので、「お店をやらせてほしい」と津田沼パルコに掛け合ったところ、タイミングがよかったのでしょう、すんなり決まったのです。

稲・では、津田沼パルコ時代はアクセサリーの専門店?

野・そうです。レザー製品は後になってから。商売的にアクセサリー一本槍で長くやるのは厳しいと思いまして。例えば革の財布なら、ハーレーのバイクに乗っている人たちに好かれそうなワイルドな感じの商品を揃えていったのです。

稲・そして昨年、稲毛に路面店を構えられました。どういった地縁があったのですか?

野・四街道市民ですので地縁はなかったのです。見つかるまで1年ほど探しました。ネットで情報を集めて、気になる物件があると現地を見に行っていたのですが、ここはたまたま大家さんが顔を出してきました。会話しているうちに「ああ、自分はここに決めるだろうな」という確信めいたものが湧いてきた。地縁はともかくとして、人の縁はあったということでしょうね。

稲・アクセサリーは今どのような種類が人気なのですか?

野・今はピアスが全盛です。昔はネックレスが主流でしたけれど。素材の流行も大きく変わりました。シルバーを扱うお店はあるものの、今の若い子たちにとっては銀色をしていたら安いほどいいみたいで、ステンレスがよく出ます。

稲・そうなんですか。いぶし銀なんて言葉、今は通用しないのかも。

野・肌に直接触れるものですからもちろん品質にはこだわっていますよ。激安のピアスを買ってかぶれたりアレルギーを起こしたりなど痛い目に遭ったという方がけっこういるのです。うちはサージカルステンレスという、医療器具にも使われているトラブルを起こしにくい材料のものを仕入れています。

稲・レザー製品はすべて手縫いですよね?

野・職人4人くらいで縫っています。ミシン縫いより手間も時間もかかりますが、丈夫さがまったく違います。

稲・おくすり手帳のレザーケースまであって、驚きました。普段から持ち歩きたくなるおしゃれさです。

野・使う人のニーズに合わせて一つひとつカスタマイズして作る障害者手帳用のケースもあります。以前NHKや千葉テレビで紹介され、四街道市のふるさと納税の返礼品にもなっているんですよ。

稲・それはすごい。今はそういう製品のニーズがある時代なのですね。でも、ある意味特殊なニーズでもあるような気もしますが…。

野・うちのような小規模のショップは、大手のメーカーや販売店と同じことをやっていては負けてしまいます。中国で安く大量に製造するところとは価格で勝負できるわけがありません。大手がやらないこと、売らないものに焦点を当て、ニーズにきめ細かく対応した、オリジナリティ溢れる製品を作るのがうちの方針です。

稲・手縫いならではのメリットを最大限に活かす、と。

野・手縫いで作る強みの一つは、どんなオーダーにも柔軟に応えられることです。先日もある男性のお客様から、20年前に買ったレザーのバッグと同じものを作ってほしいというご相談を受けました。フラップの開き方とかファスナーの位置とか、使い心地が体に染み付いているから、同じデザインで新しく作りたいというリメイクのご要望だったのです。

客層はシニア世代が50%ほど

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稲・レザー製品のオーダーメイドをご希望のお客様は多いですか?

野・そうですね、けっこういらっしゃいます。レディメイドで好みにぴったりのものが見つかればいいのでしょうけれど、それはなかなか難しいので。

稲・一つ作るのにどれくらいかかりますか?

野・採算ベースだけで言うと、1個を1日で作れるといいのですが、実際には「1ヶ月ほど時間をください」とお客様には伝えます。染めの時間、乾かす時間なども確保しなければなりません。どうしてもある程度の日数がかかります。色によっては染料の調合から始めなければならない場合もありますし。

稲・お客様はどんな世代の方が多いですか?

野・パルコ時代は若い方々が多かったですが、今はシニア層の方が50%くらいになっています。お気に入りを長く使いたい方々でもありますね。ふらっとお店に入っていらっしゃって、「これ直せる?」みたいなパターンが増えています。

稲・リメイクですね。他のお店で買った製品であっても直されるんですか?

野・できる範囲でという形になりますが、お請けしています。最初にヒアリングして、ご予算などもお聞きした上で修理するのが基本的なやり方です。海外の有名ブランド製品を持ち込まれるお客様もいらっしゃいます。売るためではなく、愛着のあるものだから自分で使うために直したいというニーズには、できるだけ応えたいです。

稲・オーダーメイドやリメイク、修理などを承る際に、一番気をつけていらっしゃることは何でしょうか?

野・作製相談の場合は、一人ひとりとコミュニケーションを取って、ご本人が気づいていないことまで聞き出せれば理想的です。ベルトの太さや金具の位置などディテールから全体のバランスまで、使う人にとって使いやすいかどうか、しっかり考えて作ります。修理についても、ご要望を細かく聞き出します。とにかく値段を安くしたいのか、頑丈にしてほしいのか、一人ひとり違いますから。

稲・なるほど。使う人の立場になって製作しているから長く愛用されるものができるのですね。心から納得です。本日はありがとうございました。
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千葉市内を中心に配布しているフリーペーパー「稲毛新聞」です。 平成8年に創刊、おかげさまで2021年には創刊25周年300号を迎えました。 地域...
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